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レディオキャットハテナ

【読書メモ】これだけ!PDCA

これだけ! PDCA

これだけ! PDCA

副題に「必ず結果を出すリーダーのマネジメント4ステップ」とあるとおり、本書は現場のリーダーが組織としての成果を出すためにPDCAを回す方法が説明されている。前回読んだ本( 【読書メモ】最短で目標を達成する!PDCAノート - radioc@? )がフレームワークやその使い方を中心に説明された本だったのに対して、この本はリーダーが組織的にPDCAを回すためのアプローチやマインドに重きが置かれている。現場のリーダーやマネジメントに携わる人は一度読んでおくべき本と思います。



PDCAがうまくいかない理由

そもそもPに問題アリ

  • 計画を作るタイミング
    • 計画策定に割く時間がない
  • 組織構造
    • 上層部で「計画」のみの是非が問われ、現場レベルの細かいチェクが行き届かない=実現の可能性が低い計画が出来上がる

成果主義的な評価制度の弊害

  • 低い目標設定
    • 目標の達成度合いが評価に直結するため、容易に達成できそうなことしか計画しない
  • 長期スパンの事業の回避
    • 成果を出すまでに時間がかかるものは、そもそも計画に入れないようにしてしまう
  • 非協力的な空気
    • 部門ごと、個人ごとの評価では、それぞれの枠を超えて連携・協力が必要なものは評価してもらいにくいため、計画しない

目的と目標の違い

  • 目的とは、ずっと追いかけ続けるもの
  • 目標は明確なゴール
  • 1つの目標を達成したら、また次なる目標が立てられ、その目標に向かって頑張り続ける
  • 目標を達成することが目的ではない

鷹の目と蟻の目

  • 鷹の目
    • 経営者的な目線
    • 上からふかんで物事を見る目
  • 蟻の目
    • 現場の視点
    • 当事者の視点で物事を見る目

※メモ

最近は虫の目、鳥の目、魚の目というのもある。虫の目は蟻の目、鳥の目は鷹の目とほぼ同義で、魚の目はビジネスの潮目を読むという意味で使われる。

www.f-storia.jp

Plan

  • 手段を目的化しない
    • そもそもの目的を見失うと計画が無意味になる
    • 何のための目標か、何のための計画かを問い続ける
  • お客様との約束
    • 現場のリーダーが中心となって議論できるテーマ
    • お客様との約束=顧客満足を上げることで会社の利益も上がり企業の強みになる

Planの5つのステップ

1) 現状の振り返りからスタート

  • 計画通りに実行するえば必ず目標が達成できる現実的なレベルでの計画を策定する
  • 通常業務がある前提で計画を立てる

2) 正しい事実を把握する

  • 根本の原因を見つける意識をもつ
  • なぜなぜ分析(”なぜ”を5回繰り返す)

3) 事実を認識するプロセスを欠かさない

  • そもそも問題なのか、どの程度の問題なのか
  • 把握した事実をどう認識して実行すべき方策を見つけるか

4) 勝てるイメージの計画

  • ほぼ達成できる見込み数値を決める
  • 標数値と見込み数値とのギャップを把握する
  • ギャップを埋めるための方策を洗い出す
  • 方策ごとの見込み数値を予測する
  • 見込み数値の合計が150%になるまで方策を追加する
  • 阻害要因を洗い出す
  • 阻害要因を克服する対策を事前に練り込む

5) 実行に値する計画か検証する

  • 何を、いつまでに、誰が、どうやってが表現されているか
  • 中間目標を設定することで成功率を上げる

Do

実行を妨げる3つの特性

  • 学生症候群
    • 後回ししてしまうクセ
  • 必要以上の時間設定
    • 余裕を持ったスケジュールを見積もって目一杯時間をかけてしまう
  • 掛け持ち

「5S」の徹底

5Sを徹底することでコミュニケーション、問題意識の共有、思いやりベースの協力が鍛えられてチームの実行力が上がる。

  • 整理
  • 整頓
  • 清掃
  • 清潔

※参考

トヨタカイゼンでもリーダーはチームに5Sを徹底させるマインドが求められている。

www.sbbit.jp

www.consultsourcing.jp

フロー理論

揺らがず、とらわれず、気分の良い状態=普段どおりのパフォーマンスができる

現在のリーダーは スキル心の状態 、両面に配慮することを求められており、それができなければ、チームのパフォーマンスを発揮することができない

※参考

本書ではスポーツドクターの辻秀一氏が提唱する理論が取り上げられている。

www.worksight.jp

フロー理論は辻氏も言っているように元々はチクセントミハイ博士が提唱している理論である。

goodbusiness.jp

Check

計画の作り込みさえできていれば、「評価すべきこと」は明確になっている

Checkの4つのステップ

1) 現状の正しい把握

  • 事実を正しく認識する

2) 早めのタイミングで改善の手を打つ

  • スピード感のない改善では成果が出にくい
  • 例)年間計画の1ヶ月目の結果が目標の90%⇒3ヶ月単位で考え、残り2ヶ月で5%ずつ上積みする方法を考える

3) 目標にピッタリのKPIを見つける

  • 成果の状態を最初に確認すべき指標
  • うまくいかない理由・改善すべきポイントを早い段階で見極められる
  • 原因究明のルートをスピーディーに絞り込んでいける

4) 成果に直結するKPIを見つける

  • ビジネスのキモを押さえる
  • 他の部門から見ても評価できるものなのか、コミュニケーションをとりながら決定する

Action

人を縛る4つのしがらみ

4つのしがらみを意識して何が改善を妨げているのかを見極める。

  • 評価制度
  • 組織構造
  • 習慣
  • 考え方

会議5悪

  1. 会せず⇒メンバーがきちんと集まらない
  2. 会して議ぜず⇒議論をすることなく、一方的な通達のみの状態
  3. 議して決せず⇒議論はするが、結論が出ない
  4. 決して実行せず⇒出た結論を実行しない
  5. 実行して責を取らず⇒「とりあえずやればいい」という意識で、責任が伴わない

新たなPを始める

  • 改善で終わりではない
  • リーダーはチームの基礎力=当たり前レベルを上げる
  • 形状記憶組織から脱却する
    • 成果が出なければすぐに元に戻ってしまう
    • 早い段階での成果を意識する

PDCAマネジメントがうまく回っている状態とは

継続的に改善し続ける動きを ”当たり前” のこととして続ける


参考サイト

これだけ!PDCAの著者が、PDCAを解説!