【勉強会メモ】Engineering Manager を語ろう
- 日時:2018-12-06(木)19:30 - 21:30
- 場所:株式会社ロックオン 大阪本社
DevLove関西のエンジニアリングマネージャをテーマとした勉強会に参加してきました。巷でも(個人的にも)バズっているテーマだけに満席で、セッション後のダイアログもとても盛り上がっていました。みなさんマネジメントで苦労しているんでしょうね。。
異文化コミュニケーションの話は日本人同士でもそれぞれ似たようなタイプの人がいるとも思い、自分の境遇に置き換えても参考になりそうな内容でした。1on1は1日に続けて6回やると後半疲れて公平にできないので良くないという話でしたが、まさにそれをやっているのでちょっと見直そうかと思いました。続けてやるメリットもあるとは思いますが。。チームビルディングの設計の話は、ドラッカーとかのガチなマネジメント論で出てくる組織やコミュニケーションの話をベースにエンジニア的視点で設計してみようという試みでとてもおもしろい発想だと思いました。
Cross-Cultural Management
原 隆章さん
異文化の国々のメンバーをマネジメント ⇒日本人メンバーとのコミュニケーションも改善
異文化コミュニケーションで大切なこと
- 文化の違いを理解・尊重する
- 自分の文化を押し付けてはいけない
- 自分の文化を捨てる必要はない
- 自分の文化と相手の文化の良い部分を取り入れていく
問題解決のスタイル
- オープンで対立をいとわない人
- 表面化してオープンに話し合う
- 対立しても人間関係に悪影響を与えない ディベートやディスカッションを好む 自分の意見をしっかり言う
- 対立を回避したい人
- 和を大切にする
- 意見の違いを出すことに抵抗
- オブラートに包んだ言い方
- 自分の意見を伝えることに抵抗感
※日本人はやや対立回避寄り
オープンで対立をいとわない人とのコミュニケーション
- 話す場合に気をつけること
- 自分の意見を述べる
- 遠慮しない
- ネガティブな話も直接口に出す
- だんだん感情的になるが抑える必要がある
- 聞く場合に気をつけること
- 個人攻撃するつもりなく事実を聞く
- 直接的な言い方をされても気にしない
対立回避を好む人とのコミュニケーション
- 話す場合に気をつけること
- 大勢の人の前で批判
- 違う意見を言う時は言葉の選択や声のトーンに気をつける
- 聞く場合に気をつけること
- 相手が言っていることの一言一言に注意する
- 微妙なニュアンスに注意する
- 会話の先に何があるか注意する
言語と雰囲気
- 言語中心のコミュニケーションを好む人
- 言葉を沢山使う
- 細部に渡ってコミュニケーション
- 曖昧さに居心地の悪さを感じる
- 非言語コミュニケーションを好む人
- 言葉を使わなくてもコミュニケーションできる
- 声のトーンや体の動き、顔の表情
- 共通の背景や経験に頼る
- 行動が言葉より多くを語る
※日本は後者(絵文字とか俳句の侘び寂びとか)
言語中心のコミュニケーションを好む人
- 話す場合に気をつけること
- いろいろな説明の仕方をする
- 明確な指示をする
- 聞く場合に気をつけること
- 充分に伝わったか確認する
非言語コミュニケーションを好む人
- 話す場合に気をつけること
- 必要な情報を言葉では手に入れられない
- 質問のしかたの工夫が必要
- 細かいことを聞く、可視化する
- 聞く場合に気をつけること
- 質問攻めすると攻撃と受け取られる
- 簡潔に話す
フィードバック
フィードバックはマネジメントで最も重要
- フィードバックが不要な人はいない
- 言語でしっかり伝える
- 何も言わないのは無視していると思われる
ネガティブフィードバックでの注意点
- 具体的で明確なものにする
- いつどこで言ったことか?など
- 建設的に思慮深く
- 個別に行う
- すぐに実施する、間を開けない
- ただしタイミングを選ぶ
異文化、様々な国の人が集まる場での会話
- 異なる政治・制度
- 趣味趣向
- 生活習慣
まとめ
- コミュニケーションのスタイルは多種多様
- 日本人同士でも違いがあることを理解する
⇒メンバーとのコミュニケーションが楽しくなる
人見知りマネージャが100回1on1をしてわかったこと
粕谷 大輔( @daiksy ) さん
エンジニアリングマネージャ
- 主にエンジニアの評価・育成・メンタリングや組織面の問題解決
- エンジニアチームのポテンシャルを最大限発揮してプロダクトを期待通りにデリバリする
1on1
- 苦手意識
- 月1回
- 一応やっていたけどたまにスキップ
- ※約束をやぶることと同じなので絶対やってはいけないことの1つ
- あるときメンバーから「もっと1on1してください」
- 対象者は自チーム9名、他チーム3名、計12名
- エンジニア、デザイナー、ディレクター、SM
- 1回30分
- 他拠点の人はリモート
- 頻度は人によって、時期によってバラバラ
- 1週間から1ヶ月の幅
- 1on1の最後に次回の日程を決めて終わる
- 頻繁に話したほうがよいなと思ったら来週
- 困っていないなら来月
話す内容
- 困っていること、気になっていること
- 最近のアピールした仕事
- 目標の振り返り
- 面談後のアクション
アジェンダ通りにはならない
- コミュニケーションの頻度を増やすのが目的
- 最初は当たり障りのない会話にしかならない
- 回数を重ねるごとにだんだん親密な話が増えてくる
- 相手の話を聞くのが優先
- アドバイスや相手へのツッコミは1on1じゃなくてもできる
1on1をやる当初はめちゃくちゃ緊張
- 半期で100回近くやってたら慣れる
- 人との距離の縮まりは頻度に比例する
- 年に1回3時間より毎日5分ずつ36回話すほうが親しくなる
- 1on1のハードルが高い場合は、毎日5分ずつ朝会のあとに会話
効果は?
- めちゃくちゃ良い
- マネジメントについて人に関わる施策はだいたい1on1の会話きっかけで思いついたりする
- マネージャ自身の悩みも相談しても良い
- エンジニアリングマネージャはマネージャの中でも現場に寄り添うタイプのマネジメントが必要
- 1人1人の意見を聞く
- ただし、めちゃくちゃ疲れるし大変
- シビアな雑談することも⇒プライベートの問題など
- 距離が縮まるほど踏み込んだ話題になる
チームビルディングを設計しよう
小林 毅志( @cobasparxxx ) さん
チームを任された時に最初に何を考えるか
- ミッション
- 1on1の頻度やりかた
- 進捗確認
- ふりかえり
チームビルディングの正解はない
実際、↑を全てやったら正解とはならない
- チームビルディングには全てが必要
- 人は10人いれば10通りの話かたがある
チームが形作られるのはなにか?
⇒ 仕事中に行われる事象全て
何から始めるか?
理想のチームを描く事から始める
仕事中に行われる事象全て
⇒自分がどういうチームを作りたいのかをまず考えることが重要
チームビルディングを設計
職能特化型か職能横断型か
- 特化型⇒エンジニア、企画、デザイナなどが別々に働く
- 横断型⇒エンジニア、企画、デザイナなどが一緒に仕事をする
会議に参加するメンバーを決める
- 各会議にどのメンバーを参加させるかで大きく変わる
- 特化型
- 職能ごとに分けたミーティング
- 専門性は高まる
- 縦割りな組織になる
- 横断型
- 一緒になってミーティング
- 抱えている問題を共有しやすい
- 同じ目標を持ちやすい
作りたいチーム像に応じてコミュニケーションを変えていく
ボトムアップかトップダウンか
トップダウンなチーム
- コミュニケーション
- やるべきことを明確に
- マネージャは強い意思とリーダーシップ
- 明確なゴールありきで背景や目的をしっかり伝える
- 言うことが常に一貫している必要がある
- 会議は状況確認と指示出し
- やってはいけない
- 不明瞭な指示出し
- 矛盾した指示
- メリット
- 優秀なマネージャがトップダウンなら圧倒的なスピード感
- デメリット
- 常にマネージャに依存
- 自主性がなくなる、指示待ち
- モチベーション低下のリスク
ボトムアップなチーム
- コミュニケーション
- メンバーが提案や意思決定を行えうように促す
- チームのミッションを決める
- 背景や目的を徹底的に共有
- 達成のやりかたには極力口を出さない
- メンバーの意思決定を支援
- やってはいけない
- メンバーが決めたことに常に口を出す
- 間違った方向に進みそうな場合だけ迅速に交通整理
- メンバーに責任を押し付けない
- メンバーが決めたことに常に口を出す
- メリット
- 自主性が育つ
- モチベーションが上がりやすい
- チームの総合力がマネージャの想像を超えることがある
- デメリット
- メンバー同士で意思決定⇒スピード感が遅くなる
心理的安全性
高めるためには
- コミュニケーション
- マネージャ自ら弱みを見せる⇒人間味を見せる
- メンバーとの雑談
- わからないことを素直に認める、メンバーに素直に聞く
- メンバーの意見を引き出す場を作るように努力する
- プランニングポーカーやモブプロペアプロなどでメンバー間の議論を促す
- 気軽に質問をしてもいいんだというメッセージを発し続ける
- 意見がぶつかっても尊重して議論する
- HRTの原則を大切にするようメンバーに促す
- 攻撃的なコミュニケーションは許さない事を明確に伝える
低める⇒真逆なことをやる
組み合わせごとのチームビルディング
A. ボトムアップかつ心理的安全性が高い
B.トップダウンかつ心理的安全性が高い
C. ボトムアップかつ心理的安全性が低い
D. トップダウンかつ心理的安全性が低い
まとめ
- 最初はどういうチームを目指すか
- 会議に参加するメンバーを決める
- 目指したいチームを決めて
- コミュニケーションのしかたを決める