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【勉強会メモ】【大阪】GMOエンジニアトーク -先端IT技術を学ぶ会- 深層学習、ブロックチェーン、AR/VR

jisedai.connpass.com

日時:2017/10/13(金) 19:00 〜 21:00

場所:シナジーカフェ GMO Yours

GMOの研究開発チームによる先端技術の発表会。今回は以下の3本立て。

深層強化学習はここ数年で注目されている分野のひとつで、それをAI系ではおなじみの株価予測に使って研究したという話だった。はじめは株価だけに注目してやってみたがうまくいかず、マーケットインパクトに注目して出来高を学習に加えたところ利益につながる予測ができたとのこと。この分野は何をどう学習させるかがキモなのでデータが豊富にある株が研究テーマとして選びやすく分かりやすいのだろうと改めて感じた。

ブロックチェーンは4つの実験的な仕組みをOSSとして公開したという話。ブロックチェーン技術を何に活用するかはまだ世の中的に試行錯誤状態なので実験のためにOSS化は必然なのかもしれない。

AR/VRは「どこでもドア」や「バーチャル案内スタッフ」というモバイルアプリを実際に開発した話。既に使われているとのことで事例としては最も具体化された内容だった。どこでもドアをネタにして現実世界とバーチャル世界を融合させてドアを介して行き来させるというのはとても面白いアイデアだと感じた。

いずれのテーマも今回は事例紹介が中心だったが、技術的にもう少し詳細な内容が調べられたものについてはリンクを追加しておいた(つまりリンクは発表者が紹介したものではなく私が後から追加したものです)。

AIで株をやる!~株の売り買いを深層強化学習で予測~

発表者:シユタサ カンスポーンさん

深層強化学習

深層学習+強化学習

強化学習

報酬が良い行動に最適化するように試行錯誤する機械学習アルゴリズム

例)ねずみが迷路の中でチーズを探す

  • Agent(学習者):ねずみ
  • 環境:迷路
  • 状態:迷路のどこにいるのか
  • 行動:左右どちらに進むか
  • 報酬:チーズをもらえる、もらえない

Q-learning

強化学習の代表的なアルゴリズム

  • 行動ごとに各状態で報酬を与える
  • 最終的に一番良い報酬となる最適な行動を学習
  • 全ルートが分かれば良い

学習ステップ

  1. ランダムに行動(学習)
  2. 報酬が高いルートの近くを選んで行動
  3. 最終的な報酬がよくなるように繰り返す

深層学習

多層のニューラルネットワークによる機械学習

深層強化学習⇒株になると複雑

Deep Q-Network(DQN

Dueling Architecture

musyoku.github.io

Prioritized Experience Replay

github.com

上記を組み合わせた深層強化学習の1つの手法 ⇒うまくいかなかった

マーケットインパクトを使った学習

  • 出来高と株価の変化を学習して深層強化学習
  • 大型株(今回は日産自動車)の株価で予想
  • 2016年のデータ1年分を使用

収益:3.4%(時期をずらして評価しても一定の収益が出た)

出来高と株価の変化(マーケットインパクト情報)をもとにある程度大型株を学習して評価できるようになった

GMOインターネットの株で評価

収益:8.87%

⇒マーケットインパクト情報で深層強化学習を行えば少しだけ収益を得る予測が可能

ソース公開を通じて分かった非中央集権型アプリケーション(dapp)とは

発表者:折田さん

DApp(Decentralized Application)とは

サービス提供者を信頼することなく当事者間で動作するプログラム

メリット

  • 中間マージンの削減
  • サービス提供者に情報や資産を預けるリスクの排除

スマートコントラクト

  • ロジック・実行結果はブロックチェーンに記録され公開される
  • 利用者はロジックを確かめ結果を確信して実行できる
  • 行基盤:Ethereumが有名

Ethereumとは何か? · Ethereum入門

ブロックチェーン公開プロジェクト

www.gmo.jp

医療機関カルテ共有システム

患者自身で医療機関へのカルテの共有ができるスマートコントラクトサービス

転売抑止チケット

  • 不正転売の抑止とチケットレス
  • 複数業者が相乗り可能
  • チケットを販売代理店が発見したことが保証
  • チケットの転売には所有者自身の鍵の移転が必要

地域トーク

  • 自治体や限定された店舗・施設
  • 限定ポイントを発行できる
  • トークン:ERC20

ERC20

www.tottemoyasashiibitcoin.net

-Ethereumにおけるトークンの標準使用 - 資金到達手段(ICO)に利用されている

トークントレーダー

取引所に預けることなくエンドユーザー同士で直接トレードできる

Indexer:取引所 Maker:売買情報を掲示する人 Taker:約定(売買)注文をする人

GMOブロックチェーン オープンソース提供プロジェクト

https://guide.blockchain.z.com/ja/docs/oss/

AppleのARkitとGoogleの最新のARプラットフォーム ARCore 可能性と応用

発表者:ブイ・ミン・クオン(ベトナム)さん

O2Oサービス向け集客力のあるモバイルARの開発

ARとは

  • 現実空間とバーチャルコンテンツを真空間として融合

なぜモバイルARか?

  • スマホの普及
  • 豊富なモバイルARプラットフォーム登場(Vuforia,Wikitude,ARTooKit,Kudan)
  • Google,Apple ,Facebookの参入

ARKit(Apple)とARCore(Google

  • それぞれSDK無料
  • OSレベルで既存アプリへスムーズに組み込み可能
  • 既に数億台がサポート

ARKit

qiita.com

魔法のホールとどこでもドア の開発

  • ターゲットユーザー:ファミレスチェーンの子連れ家族
  • 印象に残るもの:魔法みたいなもの

vimeo.com

  • ダブルカメラ⇒現実空間とバーチャル空間
    • 2つのカメラの位置と向きを同期する
  • 360度ビデオ
  • Unity上の球場のゲームオブジェクトプログラミング
    • 法線ベクトルの方向変更もしくはテクスチャの裏返処理
    • 法線ベクトル…3次元での面に対し垂直なベクトル
  • シェーダープログラミング
    • メッシュの頂点単位の処理、ピクセル単位の処理
  • オフスクリーンレンダリング
    • 画面に書き込まない描画処理
    • 画像フレームをレンダーテクスチャにレンダリング
    • ドアの面積相当のテクスチャ分だを調整して貼る
    • シェーダーで上記の部分レンダリング処理
  • レイヤー&カリングマスク
    • 特定の1つのレイヤーにあるオブジェクトのみレンダリング
    • リングマスクでレイヤー表示・非表示をコントロ^る
    • 現実空間とバーチャル空間を別々にレイヤーに分ける
    • ドアを通る・戻ることによる表示非表示を判断
  • デプスマスク
  • バーチャル空間から現実空間を見えるようにする
  • マスクされたところにバーチャル世界のレンダリングをしない
  • マスクされたところから現実空間が表示される

ARCore

もともとはTangoプロジェクトがあった

  • 当時はARKit相当の機能を提供
  • マーカーレスAR/MRプラットフォーム
  • 平面検出、モーショントラッキング、領域学習の3つのコア技術
  • 対応端末が少ない

バーチャル案内スタッフによる案内

[https://www.s lideshare.net/bmkhuong/ar-google-tango-73960767:embed:cite]

特徴

  • 特定センサーが不要
  • モーショントラッキング
  • 平面検出⇒マーカーなしでも平面定着精度が高い
  • 環境光推定
  • 対応端末はPixel系、GALAXY S8など(まだ少ない)

developers.google.com

まとめ

  • 機能面は同等
  • 端末対応台数はARKitのほうが多く、ビジネス面で早く展開できる

参考

recruit.gmo.jp

fr.slideshare.net