【読書メモ】質問力ノート
- 作者: ルパート・イールズ=ホワイト
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2004/02/14
- メディア: 単行本
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コーチングで最も大事なことが「傾聴」で、とにかく「自分から話をしない」「聴くことに徹する」とよく言われます。しかし、実際には要所要所で何かを喋らないと会話は進まないので、聴くに徹するためにも大事なポイントで最低限の質問をする必要があります。たいていの場合は質問をすることで会話の流れを作っていくため「質問力」は重要なスキルになります。コーチングの手法に沿って会話の流れを作るための質問のしかたを具体的な事例も交えながら解説しているのがこの本です。120ページほどの書籍ですが、質問のしかたに絞った内容で、表面的な質問のしかただけではなく、背景となる考え方、行動のしかた、質問する相手への意識など、具体的に掘り下げた内容で質問することの意味や効果の理解を深めることができます。
会話の流れ
まずは質問者が質問することによってこれから展開される会話の流れを以下のようにイメージします。
会話の流れ | 焦点を当てる対象 | 質問のスタイル |
---|---|---|
会話を始める | 相手 | オープン |
問題を明確にする | 相手 | オープン |
議論を発展させる | 相手 | オープンとクローズド |
問題を解決する | お互い | オープン |
行動を決める | 相手またはお互い | クローズド |
ここでのポイントはオープン・クエスチョンを基本の質問スタイルとしながら、重要なポイントでクローズド・クエスチョンをして会話の流れを作っていくことです。相手に焦点を当ててオープン・クエスチョンすることで、相手が考える機会をつくり気付きを促します。問題に焦点を当てたり、次の行動を決める重要なポイントではクローズド・クエスチョンをします。
良い聞き方をする7つのポイント
以下のようなポイントを意識することで相手に発言を委ねるオープン・クエスチョンの中でも会話の流れをつくっていきます。
- 聞くことに集中する
- 客観的になる
- 判断しない
- (相手が)理解しているかどうか確認する
- ポジティブなボディランゲージを使う
- 聞いていることを相手に伝える
- 沈黙を大切にする
オープン・クエスチョンをつくる5W1H
5W1Hには「発見の疑問詞」と「行動計画を立てるための疑問詞」という大きく2つの役割があります。
発見の疑問詞
- WHAT⇒何?どんな?
- 問題をはっきりさせる
- 考えさせる
- WHY
- 説明を求める
- 原因を特定する
- HOW
- アイデアを探る
- 考えさせる
ここでのポイントはWHATをうまく使うことです。WHYは原因を特定する重要な質問ができますが、聞き方によっては「なぜそんな事をしたの?」というような批判と受け止められる場合があります。そこで、「どういう理由でその行動をしたのですか?」という形で、「その理由は何?」というWHATの質問に置き換えます。
行動計画を立てるための疑問詞
- WHO
- WHEN
- WHERE
これらは次の行動を決める場合に使うことで、具体的な内容を決定します。
よい質問をする方法
最後によい質問をする方法の10項目を紹介しておきます。
- 会話の前に「どんな会話にするか」考える
- オープン・クエスチョンを用意しておく
- 答えを誘導するような質問はしない
- 選択を限定するような質問は避ける
- 鋭い質問をする
- 目的に合った言葉を使う
- 質問はシンプルにする
- 質問は1回に1つだけにする
- 自分が質問されたら答える
- 練習する