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レディオキャットハテナ

【読書メモ】3分間コーチ

コーチングと言うと、1on1など、会議室などの場所に1対1で対面し、まとまった時間を使って行うものだというイメージがあります。しかし、部下とすれ違いざまのたった3分間でもコーチングの手法を使い「今その場で、目の前に起こっていることについて話す」ことで部下の成長や課題解決をサポートできるというのがこの書籍の内容です。多忙なマネージャにとって有効な手法と言えます。ちなみに、 『コーチング・マネジメント』 と同じ著者の書籍です。

セルフトーク

誰かと会話したあとで、その場では会話しなかった内容が自分の心の中でしばらく続くことがあります。「◯◯のように言えば良かったな」とか「◯◯と回答したほうが良かったな」と、会話の内容が頭の中で継続して展開されるような状態をセルフトークと言うそうです。

会話そのものではなく、会話のあとのセルフトークが、人の行動を決定するため、3分間の部下とのコーチング・カンバセーションによってこのようなセルフトークを生み出すことが重要であるとしています。

※参考

fractal-coaching.jp

気づいただけでは行動は変わらない

コーチングによる気づきは重要ですが、実際には気づきだけですぐに行動には繋がらないことが多々あります。実際に行動を起こすまでに以下のような過程が必要です。

  1. 会話の中での気づき
  2. セルフトークでの熟考
  3. 選択
  4. 行動

熟考し、選択する時間が必要

であり、それを促して行動に繋げるのが3分間コーチによる日々のコミュニケーションなのです。

業務の妨げとなる課題をコーチする

「業務を妨げる、もしくは、そのスピードをおくらせてしまう要因」は以下の5つであるとしています。

  1. 優先順位がわからない、間違っている
  2. スキル不足(実行のためのスキルが足りない)
  3. 優柔不断(小さな取捨選択を迷って、なかなか決められない)
  4. 不安(失敗や自分に対する評価への恐れから、途中経過の開示が遅れる)
  5. モチベーションの低下(たいていは1〜4の結果として起こる)

3分間コーチによって、日々の会話の中で上記のようなタイミングを逃さずキャッチアップし、コーチすることができます。

3分間コーチにとって大切なことは何を話すかよりも、どんな場面で話すか

また、日々の3分間コーチによって問題になる前に部下自身が気づき、回避行動を促すこともできます。

大切なのは、事が起こってからコーチするのではなく、事が起こる前に、予測し、それをコーチする

ビジョン・メーキング

イメージは記憶できない

会話を通じ、問いかけを通じ、さまざまな可能性を思い描く過程で鮮明になっていく

ビジョンはイメージと同じで示すだけで記憶させることは難しいと著者は述べています。組織のビジョンを明確にして示すのはマネジャーの重要な仕事の1つなので、そのビジョンを部下に伝えて組織に浸透させるためにも3分間コーチは役立ちます。

フィードバックとフィードフォワード

フィードバックとフィードフォワードを使い分けることで3分間コーチの効果が高まります。

フィードバックは次のようなものだと述べられています。主に業務の課題に対するコーチに使います。

今のきみのやり方を見ていると、わたしははらはらする
少し急ぎすぎているように見える

フィードフォワードは次のようなものだと述べられています。前出のビジョン・メーキングなどに使います。

チームの未来はどういうものに見える?
我々の顧客は、我々のサービスにどのぐらい満足しているのだろうか?

コミュニケーションによるマネジメント

著者はコミュニケーションについて以下のように述べています。

  • 生産性に直結している
  • 組織の活動のすべてに関係している

コミュニケーションを交わさないでは、業務は円滑に前に進まないし、部下の育成もかないません

マネージャも、話し上手な人もいれば無口な人もいます。しかし、マネジメントでは必要な時、必要な場所で言葉を使って必要なことを伝えなければなりません。どのようなタイプのマネジャーにとってもコミュニケーションは重要かつ貴重な機会であり、3分間という短い時間を有効に活用することが組織のマネジメントにつながるということだと思います。