【読書メモ】結果を出し続けるチームは会議で何を話し合っているか
- 作者: 宇井克己
- 出版社/メーカー: 北辰堂出版
- 発売日: 2010/11
- メディア: 単行本
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図書館で見つけて、何となくアジャイルっぽいと感じて読んでみた本です。チームビルディングや組織マネジメントの視点で書かれていますが、ガチガチのマネジメント書籍に比べるとポイントを絞って噛み砕いて書かれているので、これからマネジメントに向かおうとするチームのリーダーや、チームをアジャイルにしていきたいリーダーにお勧めできそうな内容です。
そもそも会議とは何をする場なのか?
チームの課題・問題を解決するための行動を考え、その行動を促していく場です
本書では上記のように述べられており、会議の必要性について以下の3点をあげています。
- 一人の知恵やアイデアでは発想出来ないことが、複数の人間が集まるとできるようになる
- 納得感
- 自分も参画して決める方が、納得感は高い
- やりがい
- 自分が発想したアイデアが具体的に形になる
- その形にしたことで、誰か(特にお客様)が喜んでくれ、感謝される
つまり、会議とは全員がチーム視点を持って成果を上げるためのアクションを決めるための場であるというのが本書の主旨です。
チームワークを高めるために必要な3つの要素
チーム視点を持って成果を上げるための3つの要素が紹介されています。特にアジャイルの思想と共通している部分を抽出してみます。
チームとしてのベクトルを合わせる
チームの「ありたい姿」や優先順位を決めておくことが書かれています。アジャイルサムライのインセプションデッキとも似ています。
※参考:インセプションデッキ
メンバー間のコミュニケーションの量を増やし、質を高める
質を高めるための手法として以下のようなことが述べられています。
- 他人の発言を否定しない
- 意見を要約する
- 事実と意見を区別する
これはふりかえりで重要とされていることと共通しています。
※参考:Effective Retrospective
チームのために力を出そうという貢献意欲を各メンバーが持つ
ここでは「存在」を認める、お互いの仕事を見える化するといった事の重要性が述べられています。仕事の見える化は言わずもがなですが、互いの存在を認め合うのは「HRTの原則」にも通じる大切な考え方です。
※参考:Team GeekとHRTについて
また、「やるべきことを細かくすることで行動を促す」という事も書かれていて、これもアジャイルな視点と共通していると感じました。
リーダーとしての会議のTips
少し細かい手法ですが、本書で紹介されていて印象に残っているものです。会議をファシリテートする立場になった時に意識すると良さそうだと感じました。
会議のスタート段階ですべき3つのこと
- 終了時間の確認(ホワイトボード上に書く)
- 会議終了時のイメージ共有
- プログラムの確認
特に1はわりとおざなりになっていることが多いのではないでしょうか。
「うなずく」ことの徹底
誰かが話しているときに「うなずく」ことを徹底
聞いているという姿勢を見せるために「うなづき」を率先して行動するだけで発言が活性化すると述べられています。細かいことですが、1つのリーダーシップの発揮のさせかただと思います。
「難しい」を使わない
「難しい」という表現には、うまくいかなくても仕方がないというニュアンスが含まれる
リーダーが率先して「難しい」という言葉を使ってしまうと、他の参加者に「うまくいかない」印象が植え付けられてしまうということです。これも小さなことですが、確かにプラスの影響は少ないので、安易に「難しい」という言葉を使うのは避けるべきだと思いました。