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【読書メモ】「いい質問」が人を動かす

「いい質問」が人を動かす

「いい質問」が人を動かす

  • 作者:谷原 誠
  • 出版社/メーカー: 文響社
  • 発売日: 2016/09/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

著者は弁護士でTV出演などもされている 谷原誠 氏です。弁護士として裁判に勝つことだけでなく、依頼者が本当に求めていることを理解するために質問することの重要性に気づいたのが、「いい質問」を追求するきっかけのようです。

私は質問をして依頼者を知り、相手を知り、解決すべき結論を知らなければならなかったのに、質問をしないばかりに、全て知らないまま、独りよがりの裁判を続けていたのです。

質問には2つの機能があり、いい質問を使いこなすことで6つの力が得られると述べられています。

質問の2つの機能

質問をされると、①思考し、②答えてしまう

質問によって得られる6つの力

以下の6つの力について1章ずつに分けて説明されています。

  1. 思いのままに情報を得る
  2. 人に好かれる
  3. 人をその気にさせる
  4. 人を育てる
  5. 議論に強くなる
  6. 自分をコントロールする

この6つの力のどれを目的とし、適切な相手に適切なタイミングで、瞬時に適切な言葉を選んで質問するのが「いい質問」だとされています。

6つの力のうち、1〜3は質問の基本テクニック、4〜6はビジネスの現場での応用が期待できる力です。そのため、1〜3についてはオープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの違いであったり、ネガティブな質問をポジティブに変換するテクニックであったり、感情に訴えかけてから理論的な質問をするテクニックなど、他の書籍でも取り上げられるようなテクニックが紹介されています。そして、後半の4〜6については基本テクニックを応用したより実践的なテクニックが解説されています。

自分をコントロールする質問力

他者へ良い質問ができるようになると、その質問力を自分に向けて自問自答することで自身の成長にも役立てることができます。これが6つ目の力です。これが質問力の集大成として目指すべきスキルだと感じたので紹介しておきます。

7つのフィードバッククエスチョン

自分自身で振り返って行動を変えるための質問テクニックです。これはまさにふりかえりやPDCAで使われているテクニックであると感じました。

  1. よくできた点は何か
  2. それはなぜうまくいったのか
  3. 今後も続けたほうがよいことは何か
  4. うまくいかなかった点は何か
  5. それはなぜうまくいかなかったのか
  6. 今後やめた方がよいことは何か
  7. 今後改善すべき点はどこか

問題解決のための8つのクエスチョン

問題に直面しても諦めず前向きに行動していくための質問テクニックです。

  1. 視点を変えた場合、この問題のよい面は何か?
  2. この問題を解決したら、どのような力が身に付くか?
  3. 解決するには、どのような方法があるか?
  4. 解決するために自分がしなければならないことは何か?
  5. そのために今始めなければならないことは何か?
  6. 解決の過程で、自分が代償として差し出さなければならないことは何か?
  7. その代償を差し出したとしても、この問題は解決した方がよいか?
  8. この問題を解決するプロセスを楽しめるようにするには、どのように考えたらよいか?

この質問要素には以前読んだ経験学習のリフレクション、ストレッチ、エンジョイメントの要素が含まれていると感じました。

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今すぐ自分を変えるための質問ワーク

本書の一番最後に、10個の質問に対する自分の答えを考えてみましょうという質問ワークがあります。一通り読んで、最後にこれをやってみると、なるほど、行動を起こさなければ/変えなければと思わされます。

  1. 1年前に戻れるとしたら、まず何をしますか?
  2. 会社(家族)があなたに求めている役割はどんなことでしょうか?
  3. あなたがその役割を果たすために、今すぐ始められることは何ですか?
  4. あなたを元気にしてくれる言葉は何ですか?
  5. あなたのマイナスの口癖は何ですか?
  6. 自分の周囲で変えたいことは何ですか?
  7. あなたが「やればできるけど、やらないだけ」と思っていることは何ですか?
  8. あなたが妻(夫)や恋人に怒りを感じるのは、どんなときですか?
  9. あなたが目標を達成するために何かを犠牲にしなければならないとしたら、何でしょうか。
  10. 本書のどの部分を、どのような場面で、どのように活用するつもりですか?

参考