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【読書メモ】21世紀の共感文章術

21世紀の共感文章術

21世紀の共感文章術

  • 作者:坪田 知己
  • 発売日: 2016/09/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

最近、文章術の基礎的な本をいくつか読み漁ってきましたが、やはりそれだけではなく共感を呼ぶ良い文章を書くという発展・応用的な視点も取り入れたいという思いからこの本を手に取りました。技術はもちろん大切ですが、伝える内容と情熱も大切であり3つがセットである(後述)という点が本書のポイントだと思います。ただ、読み手が何を求めているかを意識して伝えたい内容を絞るということは今まで読んできたどの本でも言葉を変えて言われていることであり、本質的には同じことのように思いました。

著者は新聞記者として勤めた経験を持ち、いろいろな人が書いた文章を添削、指導されているかたです。情報のあふれる時代だからこそ、「自分の文章」を書くことが大切であると冒頭の「はじめに」で述べています。

「3秒、30秒、3分」の法則

著者によると人の注意力は次の3段階の法則があるとのことです。

  • 初めの3秒を使って「要・不要」を判断
  • 30秒でリード文、第1段落を読む
  • 興味が湧くと3分を使うが、つまらなければそれ以降は見ない

3秒で興味を持ってもらえるタイトル、30秒で読みたいと思える書きだし、3分で飽きさせない文章の書き方が大切ということです。

やや脱線しますが、同じような法則で人間関係が決まるという話もあります。本質的には同じかもしれません。

  • 第一印象(3秒)=文章のタイトル
  • 挨拶・自己紹介(30秒)=冒頭の文章
  • 話の内容(3分)=文章の内容

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いい文章の3条件

いい文章は次の3つの条件が揃っていることが重要だと著者は述べています。

  1. 何を言いたいのかが明快・簡潔
  2. リズム感があって読みやすい
  3. 筆者の気持ちが伝わる

技術的にどうこうではなく、状態に着目している点が本書の特徴です。もちろんこの3つの条件を揃えるためにはある程度の技術が必要だと思いますが、技術だけではないという意味で状態に着目していると思いました。

5つのチェックポイント「かきくけこ」

良い文章を書くための観点と書き方について一通り説明した後のチェックポイントとして頭文字をとって「かきくけこ」で説明されています。

  • (カ) 書き初め 読者を引き込む工夫が大事
  • (キ) キラーメッセージ 「これが言いたい」の一文を書けていますか?
  • (ク) 組み立て 構成を考えましょう
  • (ケ) 結語 どういう言葉で終わるかが大事
  • (コ) 語順を入れ替えると、流れがよくなるところに注意しましょう

この5つはやや技術的な要素になっています。前述の3つの条件を満たすことを意識して5つの技術を使いこなすということです。

文章を書くための3点セット

共感を呼ぶ文章を書くためには、技術だけがあってもダメで、次の3点セットが必要だと述べています。

  • 書く技術
  • 書く内容
  • 書こうとする情熱

技術はもちろん大事ですが、そもそも魅力的な内容であり、書き手にそれを伝えたいという思いがあって良い文章が書けるのです。