【読書メモ】モチベーション革命
モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書 (NewsPicks Book)
- 作者: 尾原和啓
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2017/09/27
- メディア: Kindle版
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生まれた時から必要なモノが揃っている環境で育った世代が社会の中心となり、AI技術が普及して働き方が変化してくるこれからの時代におけるチームや組織のマネジメントについて考察を与えてくれる内容だった。最終的に心理的安全性の話に繋がるあたりはアジャイルな開発のマネジメントにも通じるものがあると個人的に感じたので、そのような観点でまとめておく。
なお、第4章では個人の働き方にも焦点が当てられており、個人としてのこれからの時代の働き方についても色々と考えさせられる内容だった。書籍で述べられている「乾かない世代」に該当する人であったり、そんな世代をメンバーに持つ上司であったり、読む人の立場に応じても様々な気付きがありそうで、これからの働き方について様々な視点で考察を与える一冊だと思う。
乾けない世代
自己成長と社会貢献がつながっていた「乾いている世代」
「乾けない世代」は自分の時間を犠牲にして社会のために働くことにはモチベーションが動かない。
生まれたときから十分なモノに囲まれて育った彼らは、「ないものを勝ち得るために我慢する」という上の世代の心理は理解できない
ザッカーバーグのような人物を以下のように説明しており上の世代とは価値観が異なるとしている。
「金銭的な快楽」よりも、「意味合い」を大事にする世代の代表
5つの幸福
アメリカ人心理学者のマーティン・セリグマンは「人の幸せは5種類に分けられる」と提唱している。
- 快楽
- 没頭
- 良好な人間関係
- 意味合い
- 達成
乾けない世代は「良好な人間関係」や「意味合い」を重視し、「没頭」する人が多い。
インサイト
必要最低限のモノが全て揃い、溢れている時代
相手の潜在的な欲求を見つけ出して、体験をプロデュースしてくのが、これからの仕事
インサイト(新しい視点)とは?
ユーザーの潜在的な欲求や、購買意欲のツボ
偏愛
任天堂の故・岩田社長の名言
”労力の割に周りが認めてくれること”が、きっとあなたに向いていること。それが”自分の強み”を見つける分かりやすい方法だ
「偏愛」ともいえる嗜好性
他人から見れば非効率かもしれないけど、私はどうしてもこれをやりたい
「偏愛」は人工知能の時代であっても代替不可能であり、これを突き詰めることは「乾けない世代」の得意分野でもある。
異なる「強み」を掛け算する最強チーム
変化が激しく曖昧な世の中で、異なる偏愛を持つ個人を組み合わせたチームで変化に対応していく。
ストレングスファインダー
米国ギャラップ社の開発したオンライン才能診断ツールで、人の強みを34種類にパターン化する。
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0
- 作者: トム・ラス,古屋博子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2017/04/13
- メディア: 単行本
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強みを分析する手法はストレングスファインダー以外にもいくつかある。
偏愛マップ
お互いの強みを共有し、それぞれの強みや好きなことを理解して認め合うことで変化に強いチームになる。そして変化への対応にはお互いに信頼しあう「信頼社会」が必要。
WHYを共有していくマネジメント
- 全員がやりたいこと
- 世の中のためにやるべきこと
- 個人がやりたいこと
3つをいかに把握し、揃えるかが、組織のマネジメントにおいて最も重要
あなたはなぜここにいるのか
チーム全員でこれを問う。
みんなの「WHY」が、一人ひとりの「WHY」につながるように、対話を重ねて、成長を続けていく
心理的安全性
お互いの心遣い、配慮や共感
最後にいきついたのが心理的安全性。
あなたのマネージャはあなたのことを”人”として見てくれているか?
人として認め合える心理的安全性の中でメンバーそれぞれの偏愛を出し合って変化に対応し、新しい未来を作っていく。