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【読書メモ】嫌われる勇気

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

図書館で100人以上の待ち行列に予約して1年以上経過してすっかり忘れてしまっていた本ですがせっかく読んだのでメモを残しておきます。

表紙に副題として書いてある通りアドラー心理学に関する本です。青年と哲人という2人の対話形式で哲人がアドラー心理学を解説していくストーリーになっており、アドラー心理学を学ぶ書籍としてはとてもわかりやすい内容だと思います。

ja.wikipedia.org

ちなみに書籍に関して読後に調べて知りましたがTVドラマにもなっているようです(TVドラマはあまり見ない…)。

note.mu

著者の1人である岸見氏はアドラー心理学の第一人者として様々な記事が公開されています。

kishimi.com

shuchi.php.co.jp

courrier.jp

アドラー心理学の考え方

この本で述べられているアドラー心理学の内容についてざっくりまとめると以下のようになります。

  • 目的論
    • 過去の「原因」ではなく、いまの「目的」を考える
    • 自分の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって自らを決定する
  • すべての悩みは、対人関係の悩みである
  • 自由とは、他者から嫌われることである
    • 他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを恐れず、承認されないかもしれないというコストを支払わないかぎり、自分の生き方を貫くことはできない

共同体感覚

  • 所属感
    • 生まれながらに与えられるものではなく、自らの手で獲得していくもの
  • 勇気づけ
    • 横の関係に基づく援助
  • 人は「わたしは共同体にとって有益なのだ」と思えたときにこそ、自らの価値を実感できる
  • 自己への執着を他者への関心に切り替え、共同体感覚を持てるようになること
  • 必要な3つの要素が円環構造で成り立つ
    • 自己受容
      • ありのままの自分を受け入れる
      • 肯定的なあきらめ⇒「変えられるもの」と「変えられないもの」を見極める
    • 他者信頼
      • 人々は自分の仲間だと思う
      • 裏切りを怖れない
    • 他者貢献
      • 貢献感⇒目に見える貢献でなくてもかまわない
      • わたしは誰かの役に立っていると実感する
      • 幸福とは、貢献感である

エネルゲイア

ja.wikipedia.org

エネルゲイア的とは現実活動態的と訳されています。アドラー心理学の考え方である今現在のありのままを受け入れることを指しています。そのため、人生とは過去の連続である「線」ではなく、「連続する刹那」であると表現しています。

  • 人生とは、いまこの瞬間をくるくるとダンスするように生きる、連続する刹那なのです
  • 目的地は存在しない

「他者に貢献するのだ」という導きの星さえ見失わなければ、迷うことはないし、なにをしてもいい

人生の目的を設定しないかわりに「他者貢献」を指針として今その瞬間に注力する刹那的な生き方によって「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」の3つの円環構造を維持し、幸福になることができるということです。

ワーカーホリック

個人的には以下の部分にぐぬぬとなりました。

ワーカーホリックの方々は、人生の特定の側面だけに注目しています。おそらく彼らは「仕事が忙しいから家庭を顧みる余裕がない」と弁明するでしょう。しかし、これは人生の嘘です。仕事を口実に、他の責任を回避しようとしているにすぎません。本来は家事にも、子育てにも、あるいは友人との交友や趣味にも、すべてに関心を寄せるべきであって、どこかが突出した生き方などアドラーは認めません。