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レディオキャットハテナ

【読書メモ】勉強法の科学

教育学の本ですが、学習のメカニズムを知って自身の学習や他者の育成に役立てることも可能かもしれないという期待のもとパラパラと読んでみた本です。

学習と記憶

記憶のしかたには短期記憶と長期記憶の2種類があります。

  • 短期記憶
    • 忘れやすい
    • 覚えられる量が限られている
  • 長期記憶
    • 長く覚えられる
    • 覚えられる量もほぼ無限

短期記憶の内容を反復的になぞったり思い出したりすることを リハーサル と言い、このリハーサルによって短期記憶から長期記憶に転送されます。つまり、リハーサルによっていかにうまく短期記憶を長期記憶に転送できるかが学習のポイントとなります。

長期記憶するための手法として3つの学び方が紹介されています。

チャンク化

  • 同時に覚えられるのは7±2項目ぐらいまで
  • 大きなまとまりを作って覚える

例)

  • 2進数を10進数にする
  • D・O・Gという3文字をDOGという単語で覚える

有意味化

上記の例であれば「犬」と意味づけして覚えます。以下の順に処理水準が深くなり記憶が残りやすくなります。

  • 形態的処理
  • 音韻的処理
  • 意味的処理

※参考

記憶のメカニズム III

構造化

数字の羅列をフィボナッチ数列などの構造を把握して理解するということです。

※参考

ja.wikipedia.org

学習動機の2要因モデル

モチベーション理論で2要因モデルというと ハーズバーグの2要因理論 が有名ですが、ここでは内容の重要性と功利性の2つの要因で分類しています。

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学習動機の2要因モデル

筆者のモデルによると学習の動機は「学習内容の重要性」と「学習の功利性」の2軸でそれぞれ別々に動機づけされ、学習内容が重要な場合は内発的に、功利性がある場合は外発的に動機づけられるという理論です。モチベーション理論では一般的に外発的動機づけの上位に内発的動機づけが位置づけられるように思われがちですが、この理論ではそれぞれ別の要因によって動機づけられます。例えば、明らかに会社にとって利益につながるような技術を習得するときには「自分の成長のために頑張ろう」と動機づけするよりは「出世や高い報酬につながる」と動機づけしたほうが効果があるという考え方です。実際に起こりうる状況はそんなに単純ではないと思いますが、要因を分類して動機づけのアプローチを選択するのは面白い考え方だと思いました。

※参考

ameblo.jp