【勉強会メモ】デブサミ再演!クリエーションライン安田氏が語るどん底からのジョイインクジャーニー7年記
- 日時:2020/03/06(金) 19:30 〜 21:00
- 場所:オンライン
オンラインで再演されるとのことでデブサミ不参加なので参加しました。コロナ騒動になってから初めてオンラインの勉強会に参加しましたが、オフラインとは違った雰囲気で発表する側は特に慣れが必要そうでした。視聴している側は普段の勢いで終わった後に普通に拍手しそうになりましたが。
ジョイインクは言わずもがなかと思いますが、社員の喜びを第一とする企業文化を作ってきた米国のメンローイノベーションズ社の取り組みについて同社CEOのリチャード・シェリダン氏が書いた書籍です。自立的な組織という点でアジャイル開発のプラクティスを多数取り入れているため、アジャイル開発の事例としても広まっている本です。
- 作者:リチャード・シェリダン
- 発売日: 2016/12/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
今回の発表は、日本でこのジョイインクのような会社をつくりたいという素晴らしい思いを持って取り組んでこられた、クリエーションライン安田氏の7年間の取り組みが紹介されました。経営者の立場からの発表ですが、現場の立場で参考にできる部分もたくさんありますし、こうした事例があるということを活用して周囲を巻き込んで良いチームや組織の文化をつくっていくこともできると思います。
私個人の感想としては、いろんなかたちのジョイインクを生み出せると良いなと思いました。Joy,Incではサブタイトルにもある通り、ヒエラルキーのない組織に注目されがちですが、現実的には大小あれどヒエラルキーがある組織のほうが大多数です。ではそのような企業から社員の喜びを第一とする文化は生まれないのか?と言うとそんなことはないと思いたいです。
今回のクリエーションライン社の発表も、メンロー社の事例のコピーではなく自社に合わせた形を模索したうえで取り入れており、ヒエラルキーをなくすことを目的としているわけではなく、あくまで社員の喜びとは何か?に向き合って形をつくってきた結果であると思いました。なので、ヒエラルキー型組織の一員である私も良い部分は参考にして、自分の会社が別の形のジョイインクになればいいなと思いました。
余談ですが、私の会社の場合は「喜び」ではなく「楽」が理念に含まれているので、JoyではなくEnjoyであり、いろんなかたちのジョイインクが生まれるような製品を開発できるようになることもミッションに含まれるかもしれないと思いました。
日本にJoy,Incを創る! ぼくらのジョイインクジャーニー 3年間の軌跡
デブサミの資料はすでに公開されています。
www.slideshare.net
2013年:どん底期
社員30人ぐらい
- 悪いことがどんどん起こる
- 負のスパイラル
- 色々悩んだ
なぜ会社をやっているのか?もう1回リスタートしよう
- 原因は自分自身だと気づいた
- だめなリーダー、だめな経営者
- 目先の売上、利益しか考えていなかった
- ビジョンや理念もなかった
- メンバーはどういう方向に向かっていけばいいか分かっていなかった
2017年にJoy, Incに出会うまで
2014年:TGIF(社内懇親会)
- メンバー間の交流、チームのコラボ
- 参加者が固定化、マンネリ化
- その後ひっそりと終了
何かやるときは目的を明確化
- それが伝わるまで伝える
2015年:全体会議
- 月曜10-11時
- 悪いところを見つけて改善しようとする
月曜の朝からつらい
- 人生をより良くするためには?
- 仕事をより楽しくするには?
少しでも良くなるようにと思ったが
- だれも反応しない
続けていくうちに何人かがフォロワーがでてきた
くじけず続ける
2016年:ヴァル研究所さんへ見学
- リーダーとか何人かを連れて行った
- これ以降、付箋を使ったり振り返りをするようになった
巻き込み方が大事
2017年:「強いチームの作り方」ワークショップ
- アトラクタ、原田さん吉羽さん
- この後、社内の有志で改善チームが立ち上がった
大事なことにはちゃんと投資する
- ワークショップの投資だけでなくメンバーの稼働も含めて
- そういう場がないと成長につながらない
- 外部からの支援があることで成長につながる
Joy, Inc.登場
自分たちと違いすぎて遠い世界の物語のように感じた
日本に来て公演→RSGT2018参加
- こんなに嬉しそうに語りたい
- 明けの全体会議を変えた
- 大幅に変更する
- もっと楽しく仕事する
- お互いを知るためにリレートーク
実践していること
- Weekly朝会
- ふるふるリレートーク
- ふるふるするほど褒める
- 日本人の気質もあるがあまり面と向かって褒めない
- あえて褒めるのはいい機会
- 雑談
- チームワークレベル1~3をカバー
- 業務として雑談をする
- エンゲージメント上がった
- 財務情報フルオープン
- 議事録なども全て
- あらゆる情報を公開している
- 主体的に動くためには情報がないと判断できない
- CLキッズ(会社に子供が日常的に来れる)
- 学校帰りに会社に来る
- Family Day
クリエーションラインでやっていることまとめ
- ヒエラルキーがない組織
- ペアワーク
- あらゆる情報の可視化
- Weekly朝会
- CLキッズ
許可を求めるな謝罪せよ(失敗してもいいから素早く実行する)
未来編
日本の色々な会社にJoy,Incの文化、働き方を広める
会社の文化グラフを会社の業績を重ねたら同じだった
- 会社の文化がよくなる
- 良い成果が生まれる
- 会社の業績がよくなる
良い成果
- 労働残業時間6.95時間/月
- 教育・新技術への取り組みは全体の30%
Menlo Innovationsへ訪問
- スキルレベルの可視化
- 誰と誰がペアでどのプロジェクトの仕事をしているかが可視化
- プロジェクトの状況の可視化
- ビジョンの可視化
素晴らしい文化は特別なものではない、普通のもの