radioc@?

レディオキャットハテナ

【読書メモ】ファシリテーターの道具箱

年明けからファシリテーションに関する書籍を読み漁っています。読みすぎて全ての書籍をブログに書けていないくらいです。読めば読むほどファシリテーション・スキルというのは独立したスキルというよりは、様々なビジネススキルと思考法を融合した課題解決の手段であり、習得していくことで組織やチームは当然ながら個人も成長させることができるスキルとマインドが得られると感じます。

本書はファシリテーションで扱われる様々なビジネススキルと思考法を49種類の「道具」としてまとめた書籍です。様々なビジネススキルと思考法がベースとなっているため、ファシリテーターではなくても知っておくと役に立つものです。そのような道具のうち個人的に気に入ったものをいくつかまとめておきます。

これだけは身につけたい道具

他の書籍でも必ず紹介されるような定番の手法が紹介されています。

  • アイスブレーク
  • グランドルール
  • パーキングエリア
  • ブレスト
  • 親和図
  • ゴールツリー
  • 4W1H

定番ものばかりなのであえて取り上げるまでもないかもしれませんが、アイスブレークの手法についてはエンジニアの勉強会などでうまく扱えるとカッコいいんだろうなと思いました。

ウソつき自己紹介

自分のエピソードを3つ紹介します。そのうち1つはウソのエピソードにしておき、どれがウソか他の人に当ててもらいます。
ウソを混ぜるというルールによって、自己紹介をする方もされる方も真剣に考えることになると思います。ただ、エピソード3つを考えるのは、コミュ力の高い営業さんなどの集まりならまだしもエンジニアの勉強会などでやるのはまあまあハードルが高そうです。

他己紹介

ペアを組んで、相手にインタビューしてから全員にその相手を紹介します。自分ではなく相手を紹介するので他己紹介です。
私は社会人なった直後の新人研修でこれをやった記憶があります。自己紹介よりもインタビューする人の視点に偏った紹介になるので、本当にその人の事を知る目的もある場合は「所属とエンジニア歴は必ずインタビューしましょう」などの条件をつけてやると良いかもしれません。

顔ジャンケン

ペアで向かい合って、グーチョキパーを顔で表現してジャンケンをします。
これだけはやったことのない手法でした。初対面や上限関係が意識されるような真面目な場ではハードルが高いかもしれませんが、同年代や気心知れた間柄であれば盛り上がりそうです。

アイスブレークの手法というのは世の中で色々考えられているようで、ネットで調べてみると他にも色々と出てきます。

minnano-icebreak.com

シンプルに考えるための道具

出てきた意見や課題をシンプルに考える=整理するうえでまず重要なのは分類することだと思います。
解決に結びつけるために、どういった視点で分類するかがポイントです。

コントロール可能・不可能

出てきた意見をコントロール可能なものと不可能なものにに分類して、できることに集中するための分類方法です。
ふりかえりで自分たちでは解決できない問題に注目してしまい改善アクションが見つからないというようなことが時々ありますが、そういう時にいったんこの分類で整理してみると良さそうです。

モア・レス

今後増えるものと減るものに分類する手法です。ビジョンづくりなどの際に使って将来のイメージを共有したり、課題改善に向けて増やせることと減らせることを分けて分析するなどの使い方ができます。モアレス分析というビジネスフレームワークとして、ファシリテーション以外でもよく使われる手法です。

As is To be

現状とありたい姿を整理する分類法で、そのギャップを埋めるための目標を考えたりする使い方です。
これもビジネスフレームワークとしてもよく紹介される手法だと思います。

www.kikakulabo.com

愉快にロジカルに進める道具

意見が収束しなかったり、対立意見が出て空中線になりそうな時は、一定のロジックやルールに従って整理することで収束に向かわせることができます。

できていることチェック

まずできていないことから洗い出し、次にできていることを洗い出して、できていることの中から次のアクションを決めます。
課題は洗い出せたものの、実行可能なアクションが見つからない時に、できることとできないことを分けて考えて、自分たちができそうなことの延長でアクションを決めるというのはふりかえりでも使えそうです。

PREP法

議論を端的かつロジカルにするための手法です。PREPは以下の頭文字です。

  • P=Point(結論)
  • R=Reason(理由)
  • E=Example(事例、具体例)
  • P=Point(結論を繰り返す)

ja.wikipedia.org

参加者の中にダラダラと話しがちな人や、意見がまとまる前に考えながら発言したりする人がいると、PREP法を説明して「こので話しましょう」と誘導することで、会議が長引くのを回避でき、出てくる意見もロジカルになります。この手法もビジネスフレームワークとしてもよく紹介されます。

実行力を高める道具

ビジネスではロジカルさも重要ですが、スピードも重要です。一定のロジカルさを維持して素早く実行に移すための上級者向け手法です。

デシジョンツリー

アクションを決めれないときに、実行した場合、しなかった場合など整理します。

diamond.jp

もともとのアクションがしっかり検討できていないと、実行してもしなくても効果が少なかったりするので、使い所は選ぶ必要があり慣れが必要だと思います。

期待と課題マトリクス

イデアは出たけど課題もたくさんあったり、反対意見も多い時に期待することと課題の2つに分けてマトリクスをつくり、交わる部分でポイントを絞ってアクションを決めていく手法です。

matome.naver.jp

マトリクスの枠ひとつひとつに注目してしまうと結局時間がかかるので、ファシリテーターとしてはその中でさらにポイントを絞るようにうまく進める必要がありそうです。

参考

書籍で紹介されているファシリテーターの道具の一部は以下のサイトでも著者自身が記事として紹介しています。

diamond.jp