【読書メモ】0秒リーダーシップ
0秒リーダーシップ:「これからの世界」で圧倒的な成果を上げる仕事術
- 作者:ピョートル・フェリークス・グジバチ
- 出版社/メーカー: すばる舎
- 発売日: 2016/07/22
- メディア: 単行本
誰もが持つべきリーダーシップ
本書ではリーダーシップは誰もが持つべきスキルであるとし、誰もがリーダーシップを発揮できるようになるための考え方、行動のしかたが述べられています。リーダーシップといえば、昨年発売されて話題になった『スタンフォード式 最高のリーダーシップ』が最近では有名ですが、本書も書いてあることは基本的に同じだと感じました。違う点は、スタンフォード式〜のほうは役割としてのリーダーに向けて書かれているのに対して、本書のほうはリーダーの役割ではない人も含めた全ての人に向けて書かれています。リーダーシップの開発には時間がかかるとも言われており(参照:『 会社を強くする人材育成戦略 』、リーダーシップを理解して普段から習慣化することは仕事で成果を上げるためにも、将来リーダーの役割になった時のためにも役立つスキルであると思います。
スタンフォード式〜のほうは過去のエントリー参照。
リーダーシップは「影響力の行使」
リーダーシップを別の言葉に置き換えると「影響力の行使」と述べられています。
自分の行動の結果、どんな影響が出るかをあらかじめ予測して、その行動をとるべきかとらざるべきかを選択して行使するのがリーダーシップです
これは役割としてのリーダーにはもちろん必要なマインドですが、組織の誰もがこのマインドを持って行動すれば組織のパフォーマンスは何倍も加速するでしょう。まさに自立化された組織と言えます。
リーダーシップ3つの基本
リーダーシップ=成果につながる影響力を行使できる人は、どのような人なのか?について3つの基本をあげています。
- 優しさ
- 厳しさ
- 茶目っ気
まず「優しさ」で周囲との信頼関係を築き、「厳しさ」で正しいことを躊躇せず実行する空気を生み出します。そして、難しい問題に直面した時でもポジティブに多角的視点で問題に向き合うために、「茶目っ気」を持っているということです。確かにマンガに出てくるようなヒーローをイメージしてみても、優しさと厳しさを兼ね備え、時にお茶目な一面を見せるリーダーが思い浮かびます。
空気を読んで、空気を壊す
著者はまた、リーダーシップは「空気を読んで、空気を壊す」という一連のアクションであるとも述べています。これは前述の「影響力の行使」の説明の言い換えでもあります。この「空気」という言葉には、チームの方針やメンバーの価値観、世の中の動向、自分が周囲にどう思われているかの自己理解など、様々な意味が含まれていると思います。簡単な言葉ですが奥の深い内容です。この様々な意味が含まれた奥深さを著者は次に紹介する9つのポイントにまとめています。
0秒リーダーシップの9つのポイント
本書では9つのポイントがそれぞれ章ごとに説明されています。概要だけ紹介しておきます。
- イノベーティブシンキング
- 破壊的イノベーションを生み出すクリエイティビティ、T型スキル
- プロトタイプシンキング
- Fail fast(小さく上手に失敗する)
- デジタルリーダーシップ
- ラーニングアジリティ
- 常に学び、素早く行動に移す
- コミュニティリーダーシップ
- ダイバーシティが高い組織、2つの専門分野を持つ「π型」人材
- コンプレクシティリーダーシップ
- すぐに解決できない厄介な問題にも向き合う
- エモーショナルインテリジェンスリーダーシップ
- レジリエンス=折れない心、立ち直る力
- マインドフルリーダーシップ
- マインドフルネス(瞑想)を取り入れる
- リーダーシッププレゼンス
- リーダーにふさわしい存在感、影響力
Learn, Relearn,Unlearn
あとがきで著者は「学ぶことが大事」と説明しています。ここで紹介されている3つのワードが個人的にとても気に入っています。
- Learn=知識を増やす
- Relearn=学び直す
- Unlearn=完全に時代遅れになった考え方、価値観や信念は手放す
参考
- 本書の解説記事
- 著者の記事がいくつかあります
- 著者のインタビュー記事